手元供養
最愛の家族が亡くなっても、いつまでもそばにいたい、離れたくないと誰しもが思うと思います。
そのような方は、手元に故人の遺骨の一部を置いておいたりします。
遺骨の一部を使って、アクセサリーなどに加工したものを肌身離さず身に付けていたり、自宅などに遺骨の一部を大切に置いておくことによって、故人をいつまでも偲ぶことを「手元供養」と言うようになりました。
最近では、手元供養用に金属やガラスで出来た小さい骨壷や、骨壷だけど見た目はオブジェに見えるものや、遺骨を中に入れられるペンダントなどがあります。
ペンダントなどは、肌身離さず持ち運べますので、いつでも故人を偲ぶことができます。
「手元供養」をする方にも色々な理由があるようです。
先祖代々のお墓が遠くにあり、お墓参りが難しいし、最愛の家族を遠くには葬りたくないといった場合や、経済的な問題でお墓がないという場合、また、仏壇や位牌では故人を偲べないといった場合、お寺の僧侶に任せるのではなく、自分で供養したいという場合など、さまざまな理由で手元供養を選ぶ方が増えてきているのです。
核家族化してきていますので、亡くなった家族が最後の肉親で、遺族が一人ぼっちになってしまったというケースも少なくないかもしれません。
そのような場合、遺骨の一部をそばに置いておく事により、いつまでも身近に感じることができるでしょう。
昔ながらの供養の形とは違ってきていますが、遺族が供養したいと思う方法で故人を供養していけばいいと思います。
故人を悼む気持ちがあり、他人に迷惑をかけないのなら、どんな形でも供養になるはずです。
自然葬
最近では、故人が生前にプロデュースするなど個性的なスタイルの葬儀が増えていますが、自然葬を選ぶ方も増加傾向にあるようです。
自然葬とは、「遺骨を自然に還す」という考え方から生まれた方法で、細かく粉末状に砕いた遺骨を自然の中にまく「散骨」というのが、一般的な自然葬のスタイルになります。
自然葬という言葉は、1991年「葬送の自由をすすめる会」によって作り出された造語です。
戦後、「散骨」は行われていませんでした。
そんな矢先に同会が「節度あるやり方を守れば、散骨は違法にならない」と主張し、当時の法務省や厚生省も「違法にはならない」という見解を示し、自然葬が確立していきました。
代表的な自然葬に、海洋葬と樹木葬があります。
海洋葬は、海に散骨する方法ですが、いくつかの決まりを守ることになっています。
遺骨は、2mm以下のパウダー状にすることや、漁場や釣り場を避けた陸地から5km以上離れた海上で行うことなどです。
遺骨のパウダー化は、遺族が行います。
故人の愛用品の文鎮や、ゴルフクラブなど、硬いもので粉骨していくのです。
粉骨することに抵抗があった人も、実際にやってみると、粉骨している間、故人をゆっくり偲ぶことができて良かったという感想を持つのだとか。
樹木葬は散骨とは違い、墓石の代わりに樹木を植え、その下に遺骨をそのまま埋めるというやり方になります。
樹木葬は自然葬の中でも、今までのお墓に納骨して供養するというやり方に似ているかもしれません。
墓石が樹木に変わっただけではありますが、遺骨を骨壷に収めることなく埋めますので、いずれ遺骨は自然に還るはずです。
家族葬
家族葬とは、どのようなお葬式のことでしょうか。
文字通り、家族・親族だけで故人を送る葬儀です。
一般のお葬式とは違い、家族葬は規模がとても小さくなります。
故人の友人や知人には、亡くなった事自体をお知らせせずに、家族と親族だけで葬儀を行うのです。
家族葬が終わった後に、友人や知人にハガキなどで、亡くなった事と葬儀が終わったことを伝えます。
一般の葬儀では、遺族は参列者の対応に追われたりして疲れてしまったり、故人とじっくりお別れすることができないと言うことがあるものです。
しかし、家族葬は家族と親族だけでの葬儀なので、ゆっくりと故人を悼みながらお別れすることができます。
けれども、家族葬を行うことでトラブルになることもあるようです。
葬儀後に訃報を聞いた友人や知人が、毎日のようにお悔やみを述べに来てしまったり、「どうして教えてくれなかったのか・・・」と言われてしまったり、中途半端に葬儀日程を教えてしまったばかりに参列者が来てしまったり、親族から「なぜ参列者を呼ばないんだ」と詰め寄られてしまったなどなど色々と耳にします。
故人が自営業をされている方だったり、現役で働いている会社員だったりした場合は、生前にお世話になった方との関係もありますから、家族葬を選択しない方が無難でしょう。
故人が家族葬を望んでいた場合は別として、故人の亡くなる前の状況を良く判断し、家族葬で執り行うのか、一般の葬儀にするのか判断してください。